FC2ブログ

裸の恩返し 47

ゆきのスピリッツ~創作の宴


裸の恩返し47


「カツカツカツ。」

狭い通路の奥の奥を目指し急ぎ闊歩する。小走りに近い。
おおよそ一般に訪れるブラブラとした買い物とは違うのは明白だ。


「カツ、ピタ。」

歩を止め立ち止まればここが店内随一の僻地(へきち)で、お客が寄るはずのないどん詰まりであることがわかる。
ここは照明の当たらない傘場(かさば)。
いわばここだけが薄っ暗い事からも言えるのではないか。
傘場とはいつの日か私が命名した。

傘場の辺りに通常の商品はなく両側にコンクリートの壁、真っすぐ向こうは細い縦長ビニールのヒラヒラがついていて従業員以外立ち入り禁止とある。
ヒラヒラは空調管理のためか?ドアより行き来が便利だからなのか?


イソイソとここへ来たのは通常商品と違い数が少なく日によっては先客に奪い取られることもあるからだ。
お目当ての商品は一般客も使用する手押しのカートにある。
カートの上下には通常の買い物カゴが上の段と下の段それぞれ一つセットされている。
さらにカゴには白いプラスチック製のケースがセットされていてその中に、ゴタ混ぜに食品が放り込まれている。

値札も手書きで5円のものもあれば30円の物もあるが総じて100円未満だ。
定価からは大きく値引きされバッタ価格とはよくいうがそれを凌ぐ値段である。

初めて傘場に来た時は購入してよいものか?
これはヒラヒラの中に回収されるのを待つイレギュラー商品で手にしてはイケナイ物かと躊躇していた。
懐かしい。もう三年前にもなるだろうか。
その日の夜の話を少し話すとしよう。

そうだ、初めての傘場の夜、背後から声が掛ったのを思い出す。




白いカッポウギ「お客さん。そこで何してんの?」


私「ひ、ひぇ~。」


続く。


※NO46で書きました食品群との会話は持ち越しです。笑
待ちきれない方は裸の恩返しNO2最後尾に食品の叫びが時空を超え混入していたような…していなかったような。よかったらそちらを見てくださいね。


皆様のおかげで現在、子カテゴリー6部門で1位獲得中です!



引き続き下の三か所をビブラートタッチお願いします。(ブラインドタッチも可)




 



にほんブログ村 小説ブログへ※お知らせ。

コメントを頂いている方、これから頂く方々へ。



質問や感じたことがありましたら是非コメント欄からお聞かせください。(秘密のコメントもできます)



頂いたコメントは全て読ませていただいておりまして、即返答しようと努力しているのですが返信が電報のように遅くなっているのが現状です。



(ごめんなさい。(m´・ω・`)m …)



頂いたコメントは必ず頂いた日のコメント欄に返信致します。

URL記載のある方でしたらHPやブログ等にお返事させていただく事もありますのでどうぞご理解よろしくお願いいたします。



今日も、そして明日も応援、閲覧頂き感謝致します。ありがとうございました。



(ゆ*'▽')kino




スポンサーサイト

裸の恩返し 46

ゆきのスピリッツ~創作の宴



裸の恩返し 46



行きつけの食品スーパー店内に入ると私の耳はエスパーのように鋭く研ぎ澄まされ収音機と化す。



「ギギギ……。グハ」


「ほぉ、聞こえる聞こえる。食品群の悶える声。よくキコエルゾ…。」


ネギか?春菊か?それともブナシメジか?

冬場は何らかの理由で、あぶれた鍋具材の野菜が多く目立つ。




「カツカツカツ…。」


余計な通路は一切通らない事にしている。

理由は?

無用な場所を通らない、道草をしないのは私も人間だから一丁前に生きのいい新鮮な食品に目が眩む。

今日の持ち金はといえばどんなに数え直しても半人前以下の350円なのだからそうそう買える物はない。「高値の花。」に全くもって御用はないわけだ。

無駄な立ち寄りは自分を惨めにする事を知っている。




突飛な話を一つしよう。

食品のかすかな叫び声は断末魔の叫びにも似ている。

実際の所、断末魔の叫びなんて聞いたことはない。想像上の例えだ。

命は限りがあるからドラマになる。

食品それぞれは生命体だ。

傷み、廃棄寸前の食品群がもだえ苦しみ叫んでいてもおかしくない、そうだろう?

私流。人間勝手なドラマがここにあったっていい。いや存在するのだからどうしようもない。

私の食材調達。食品とのやり取り。


さぁ、続きをお付き合いいただこう。




「カツカツ、ゲゲゲ。カツゲゲゲ。」



続く。







皆様のおかげで現在、子カテゴリー6部門で1位獲得中です!



引き続き下の三か所をビブラートタッチお願いします。(ブラインドタッチも可)




 



にほんブログ村 小説ブログへ※お知らせ。

コメントを頂いている方、これから頂く方々へ。



質問や感じたことがありましたら是非コメント欄からお聞かせください。(秘密のコメントもできます)



頂いたコメントは全て読ませていただいておりまして、即返答しようと努力しているのですが返信が電報のように遅くなっているのが現状です。



(ごめんなさい。(m´・ω・`)m …)



頂いたコメントは必ず頂いた日のコメント欄に返信致します。



URL記載のある方でしたらHPやブログ等にお返事させていただく事もありますのでどうぞご理解よろしくお願いいたします。





今日も、そして明日も応援、閲覧頂き感謝致します。ありがとうございました。








(ゆ*'▽')kino











裸の恩返し 45

ゆきのスピリッツ~創作の宴



裸の恩返し 45



昨日の裸の恩返し44を最後まで読んで頂けましたか?

第一話の冒頭部分に書いてあるという一文はなにか?

裸の恩返しを最後まで読むとどうなると書かれていたか?

読者の会話がコッソリヒソヒソ聞こえてきます。



読者M「俺は見たぜ。太文字で書かれていたがあれって本当かね?」

読者A「太文字?何の事?一話を冒頭から全て読んだが見当たらないぞ。Mよ、おまえも雪乃も何を言いたいのかわからんよ。」

読者H「え?私にも太文字は見えないけど、なんて書いてあったの…?なんか怖いよ。」

読者O「いや、昨日見たときはなかったが今、見たら太文字で浮き出るように書かれていたぞ。第一話を今すぐ見てみろ。現れたり消えたりする文字なのかもしれないぞ…。」



残暑の折。

ひんやりぷちミステリータッチのMC。45話がリスタートします。


________________________________________





私は返却、返金を断念し湯場へ向かっていた。

結局の所、常識が頭の中を占拠している。


「ふわー。ふっふっ。」


軽い掛け声と共にパッパと服を脱ぐ。

裸になっても以前のような縮みあがるような事はない。

もうそぐそこに熱々の湯が待ち構えているからだ。


裸の私は湯場に向かう前に今一度考えた。

一度買ったパスポートを返還、返金の申し立てをしたところで却下されるのがオチだろう。


例えばこんな風にだ。

あのー、お客様…?と怪訝そうな表情で眉間にしわを寄せ規約をトクトクと朗読されるのではないか。

結果、私の希望はあっさりとポイ捨てされる運びとなるだろう。

そうなれば恰好がつかない。ここに来る度に変な奴が来た呼ばわりをされるかもしれない。


自分は所詮小心者だ。

結局の所、横暴な狸のような行動はとれない。


「どぷん。どっしゃー。じゃじゃじゃじゃ…。」


勢いよく露天源泉に飛び込むと湯面一杯に待ち構えていた湯がドッとあふれ出した。


この夜は返却、換金を諦め仕方なく湯につかり考えていた。


行動は小心者だが考え方はどうか?

結構な毒吐き思考で強引で身勝手な狸族と何ら変わりないのではないか?

パスポートの強引な返却、換金作戦を企てたり、言葉には出さないもののモゴモゴと腹話術的に呟く相手への攻撃的な思いは如何なものか?

考えているだけと乱暴な言葉や行動では雲泥の差があるではないか。


思いならいいんじゃないか?行動はダメなのは明白だ。

自分の中での事だ。相手を罵倒する思考のどこが悪い?

はたして本当にそうか?

なにやらスッキリしない思いはタコ茹でになるまで続いたが結果はでなかった。


とにかく今日の一言はこれだ。

季節は1月。一長一短というのかわからないが、とにもかくにも気温が0度にもなるこの気温の中の行者修行のような水風呂は回避できたわけで喜ばしい。

この半年間は少なくとも冷水の滝行だったわけで耐え難き日々だった。

考えてみれば贅沢にコンコンと湧きだす源泉をを1か月堪能できる幸せは有難い。

パスポートが使えるまで湯を有難く使わせて頂くとしよう。

私は一切の面倒な考えを打ち切った。


その反面金銭苦の生活の心配は現実として襲ってくる。

翌日からはまた死にそうな食物探しに出かけていた。


翌日夜8時。

仕事が早めに終わると、ゆあみに行く前に食品調達へ出向く。

真冬という事もあり肉だろうが野菜でも車内に放置したところでそうそう傷むことはない。

というより既に傷み切った危険度のある物を探しに行くのだから物は言いようだ。

店名は伏せるがどの店舗にも人が寄り付かないスポットがある。

見つけにくい場所にある。

短時間しか用意されないコーナーがある。

お目当てはそこだ。


「シー、シシュワ、シシシ…。」


店内入り口に立つと、くたびれた古い自動ドアがつっかえつっかえ開く。

外の寒気と店内の暖かいボアンとした空気が混ざり合う。

私はぶるぶるっと身震いしながら店内に入った。



「うー、ぐ、ぐ。くるしい…。グググ…。」



続く。







皆様のおかげで現在、子カテゴリー6部門で1位獲得中です!



引き続き下の三か所をビブラートタッチお願いします。(ブラインドタッチも可)




 



にほんブログ村 小説ブログへ※お知らせ。

コメントを頂いている方、これから頂く方々へ。



質問や感じたことがありましたら是非コメント欄からお聞かせください。(秘密のコメントもできます)



頂いたコメントは全て読ませていただいておりまして、即返答しようと努力しているのですが返信が電報のように遅くなっているのが現状です。



(ごめんなさい。(m´・ω・`)m …)



頂いたコメントは必ず頂いた日のコメント欄に返信致します。



URLのある方でしたらHPやブログ等にお返事させていただく事もありますのでどうぞご理解よろしくお願いいたします。





今日も、そして明日も応援、閲覧頂き感謝致します。ありがとうございました。








(ゆ*'▽')kino







裸の恩返し 44

ゆきのスピリッツ~創作の宴

裸の恩返し 44


聞こえてきた歌は今までの空気が入れ替わるような不思議な感覚があった。

何か、誰かが恫喝されたわけでもない。
事細かに追及されたわけでもない。
むしろ総大将=支配人の勘違いと放置、無追及が及ぼすポカンとした空白をこの場に及ぼしている。


「あんぐり、あんぐり、あぁ~アングリ~。パカンとクチ。ヨダレのクチ~…。」

ふざけている訳ではない。
ゆっくりと奏で聞こえてくる歌は幼い子供の童謡のようなハーモニーで懐かしささえ感じていた。
童謡で出てきそうなどんぐりがアングリに置き換えられた呈の話でもない。
実際耳の奥でこだましているし聞き間違いではない自信がある。

まわりを見渡せば呪文にかかったように狸一族が変化していく。

タオルを昆布の様に巻く女、魔(マ)メコンブのクチパク、アングリ。
ケッケと横柄なドカジャン魔狸(まだぬき)、縮めてドン魔狸もつられてまんまとアングリ。
店内でプロレスごっこを延々と繰り広げるガリガリ集団は動きを止めてみんなデングリ返って皆アングリ。
女性店員A,またはBはいつもの笑顔でやっぱり二人してダブルアングリ。

私もつられてクチは大きくパカンとアングリ。

総大将は脈絡がないが空気を変える何かを持っているというのか?
持って生まれた天然の素質か?魔法使いか?

「さぁ、風呂に戻ろう。あっはははははは。」

顔をまっかに汗だくだったのは風呂に入っていたからなのか。
誰からの返答もないまま総大将の発言が続く。

「そうだ、皆さんもう、大丈夫ですよね?そうそう、風呂は自ら入って肌で良し悪しを感じるのです。」

アングリ、クチパカット隊一同はうなずくこともできず総大将を見ていた。

「寒い夜ですから、ささ、皆さんも早く入ってくださいよ~。」

懐の深さなのか?
オーラか?
イカツイ体や風貌ではない。

「今日のお湯もまた絶妙でね。いいんですよこれが。うちのお湯の番人は温度管理の名人でね。」

誰かれ構わず通り過ぎ湯場へ向かう人に声をかけている様子に取り繕うような違和感は感じられない。
突き抜けるような笑い声と人懐っこく語る一言、一言に暖かさがある。
ここ、よしかわ天然温泉ゆあみをこんなところだと一言い表す人物と言えるのではないか。

私本来の目的。
パスポート返還、換金が脳裏からポロポロ剥がれ落ちていく。

「おいおい、生活できなくなるぞ。」

誰かが私に警告している。
それを無視できない…。

「こらこら、おなかと背中がくっつくぞ。」

確かにそうだ。
給料日までの20日程を三食、一万五千円で乗り切れるのか?
不安もよぎる。

どのくらいの時間が経過したのか?きっとほんの瞬間的な出来事だったのかもしれない。
ガヤガヤとカウンターに押し寄せる人の波に並んでいて握りしめていたパスポートを女性店員に渡す私がいる。

「いってらっしゃいませ。」

女性店員が昨日同様迎え入れてくれると私は湯場へ向かった。
まるで魔法にかかったように今後の生活の記憶をなくしていた。


ここで裸の恩返し第一話の冒頭を思い出していただきたい。
覚えていている読者はいるだろうか?
この裸の恩返しを最後まで読むとどうなると書いてあったか…。


続く。


皆様のおかげで現在、子カテゴリー6部門で1位を継続中です!

引き続き下の三か所をビブラートタッチお願いします。(ブラインドタッチも可)

 

にほんブログ村 小説ブログへ※お知らせ。
コメントを頂いている方、これから頂く方々へ。

質問や感じたことがありましたら是非コメント欄からお聞かせください。(秘密のコメントもできます)

頂いたコメントは全て読ませていただいておりまして、即返答しようと努力しているのですが返信が電報のように遅くなっているのが現状です。

(ごめんなさい。(m´・ω・`)m ゴメン…)

頂いたコメントは必ず頂いた日のコメント欄に返信致します。

URLのある方でしたらHPやブログ等にお返事させていただく事もありますのでどうぞご理解よろしくお願いいたします。






今日も、そして明日も応援、閲覧頂き感謝致します。ありがとうございました。



(ゆ*'▽')kino



裸の恩返し 43

ゆきのスピリッツ~創作の宴

裸の恩返し43


ざわつき、決めつけられ…。
攻め立てられ…罵られ…。

ここで黙っていたらまた狸の餌食だ。
そう…間違いなくまた落ちていくことは間違いない。

ここで意を決した。思いの丈を発言をするのだ。
総大将は謝れと言う。私は悪くない。謝る筋合いもない。

「ふん、謝るものか。モゴ。」

一発、小心者の腹話術的発言を下っ腹で決めた。
さぁ本根をぶちまけよう。
もう時間の猶予はない。


「しばし待て。腹の立つとき五分間。」


おいおい、こりゃなんだ?
恥ずかしさ、返答違いの言葉に汗がドット噴き出てくるのがわかる。
一体誰宛に吠えた言葉なのか?
タオルを昆布の様に巻く女、魔(マ)メコンブか?
ケッケと横柄なドカジャン魔狸(まだぬき)、縮めてドン魔狸か?
店内でプロレスごっこを延々と繰り広げるガリガリ集団か?
女性店員A,またはBか?
総大将の支配人か?
もしかすると自分に宛てた言葉というオチはないか?


それよりこんな言葉をどこで覚えたのか、知ったのか。

「ふー。ふ、ふふふ。ふー。」

不揃いのため息。
なんの言葉か。
なんのため息か。

「??????????????????????????????!」

疑問の嵐。
私はその真っただ中にいる。

嵐を切り裂いたのは総大将。
口火を切った。

「パスポートさん!名言ですね。そう、それですぅ~!」

あぁ…。そうだ。
思い出したぞ。
昨夜の晩。
温泉場に向かう階段の壁に掛かっていた言葉だ。
ほんのりオレンジの照明に照らされ額に入った名言ともいうべき言葉。


ともかく頭の片隅に残っていたのだろう言葉。
こんな時に出てくるとは思いもよらなかった。
深い意味もあるのではないか?
そんなことは知る由もない。出てしまった言葉は引っ込めようもない。

騒がしい、いや騒がしすぎる短気な日本の狸社会において誰が五分も待つものか。


「いやー、イイ事いいますなー。え~?そうでしょ。」

上機嫌の総大将は店のパクリ標語という事を知らないのか?

「さっ。皆さん!もう、大丈夫かな~。ほら。ね。」

具体性のかけるパフォーマンスはきっと各々の思考を停止させるのかもしれない。
店内は時間が止まっているようにさえ思えてならない。

店内にかすかに響き漂う歌が聞こえてきた。
聞こえていたのは私だけか?
耳を疑った。


続く。


皆様のおかげで現在、子カテゴリー6部門で1位を継続中です!

引き続き下の三か所をビブラートタッチお願いします。(ブラインドタッチも可)

 

にほんブログ村 小説ブログへ※お知らせ。
コメントを頂いている方、これから頂く方々へ。

質問や感じたことがありましたら是非コメント欄からお聞かせください。(秘密のコメントもできます)

頂いたコメントは全て読ませていただいておりまして、即返答しようと努力しているのですが返信が電報のように遅くなっているのが現状です。

(ごめんなさい。(m´・ω・`)m ゴメン…)

頂いたコメントは必ず頂いた日のコメント欄に返信致します。

URLのある方でしたらHPやブログ等にお返事させていただく事もありますのでどうぞご理解よろしくお願いいたします。






今日も、そして明日も応援、閲覧頂き感謝致します。ありがとうございました。



(ゆ*'▽')kino




Number of Visitors

All articles

全タイトルを表示

ゆき(の)が3Dで舞い降りる

プロフィール

雪乃 精レイ

Author:雪乃 精レイ
FC2ブログへようこそ!

カテゴリーメニュー

クラシックを聴きながら♪     ゆきのスピリッツを読む📖

月別アーカイブ

国境を越えてゆきのスピリッツ(*'▽')    (自動翻訳の巻)

powered by 3ET

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR