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裸の恩返し 35

ゆきのスピリッツ~創作の宴



裸の恩返し 35

「なに、やってんのかなー。あーもう。遅いな~。」

我ながら、なかなかのめゼリフを発したものだ。
主語がサクッと抜け落ちてはいるものの堂々たる言い回しと言っていい。

直後に細かなポージングも用意周到考えた。
受付台に左手の肘をつき頬杖を決め込む。
右手人差し指でトントト、トントンと台を叩く。
ひたすらこの動作を維持、繰り返す。
眉間には少々皺も寄せておこう。
これが何を意味するポーズか?まさか、わからない輩はいないだろう。
じれったくもイライラしている、あからさまなモーションだ。



これでひとまずこの場は凌げる事を確信した。
店内に静寂が訪れたからだ。

静かな店内に響くトントト、トントンだけがこだまする。
カウンター上部に据え付けられた丸い大きな時計が追いかけるように呼応する。
秒針の繊細で細やかな音が重なり合う。

「ふっ、ふふん、おーおー、やけに静まり返ったな。」

得意の腹話術的独り言が飛び出すあたりは余裕の証か。

ところがそう安泰な状況は続いてはくれない。
表裏一体、余裕は突如不安にもなりうる。

しかし長い。気のせいか?
カチコチ、カチコチ、ボーンボン。

さっきまでリズミカルに重なっていた秒針音と指先のトントト、トントンはバランスを失いはじめる。
カチコチ、カチコチ、ボーンボン。


長い。長すぎる沈黙。1分か?2分、いや3分か?
1分の単位が波打ったように変化歪曲して長く間延びした錯覚さえ感じる。

額の傷に汗がタラリ流れ落ちると塩気のせいかビリビリとしみる。
これをまさしく潮時とみた。

しばし受付をトウセンボウしている訳だからもう一言、言い訳を述べておく方が身の安全だ。

何しろ私の後ろにズラリ並ぶ面々が強烈な癖を持った狸ばかりなのだから、油断ならない。
いつ暴発してもおかしくないし被害は受けたくない。小心者の私には手ごわすぎる。

この状況化ピクリともしない女性店員が目に入ると容赦なく的にした。
女性店員Bに一発発射する。

「どうなってんだ?え?」


続く。



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